「忍びの国」鑑賞。ざっくりと感想を。
史実の天正伊賀の乱をモチーフにした和田竜原作の映画。主演は我らが大野智。レディースデーだけどそこそこゆとりあって見られました。ぎゅうぎゅうの映画館だと隣が気になって集中できないこととかあるので助かった…!
結局原作読まずに行ったのだけどそれで良かった気がします。大までいかないどんでん返しがあるので、わかった時は「おおー!」と。大野さん扮する無門はすごくハマってて良かったのではないでしょうか。本人の持つ、向こうの見えない不気味さが無門に合ってた感じ。悲しいエピソードもあるけど、まあハッピーエンドでよかったです。天正伊賀の乱の結末を私たちは知ってるわけで、そこに無門がどう絡むのかなってとこだったので、最後死なないでいてくれてよかった。さて、原作読もう。
特筆すべきは織田信雄(のぶかつ)役の知念くん。ジャニヲタ的には強火大野担がとうとう大野さんと共演!というアツさもあるのだけど、一般的には映画「超高速!参勤交代」の好演があるわけで、ちょんまげ似合うし何しろ綺麗。信長の息子という事でちょっと屈折してるとこのある役どころでこれがなかなかよかったのです。大膳(伊勢谷友介)と言い合いになりそれまでのプレッシャーによってわーってなって泣いちゃうとことか可愛くてね…。思わずもらい泣き。か、かわいい…!!!いや、好演だったと思います!もちろん、立川談春、でんでん、きたろうなどの伊賀の政治を行なっている十二家評定衆(真田とかみたいな地方の郷士なのかな?)もクセが強い!
テンポも良く、言葉も硬くなく(無門は特に)、ちょいちょい軽いノリを入れてくるので見やすさもあります。伊賀の下忍のみなさんもお金のためならやる!みたいな軽さがそれこそ軽妙に描かれています。仲間のため…!絆…!お上のため…!みたいな重さはなくて見ているこちらも楽。ただそのぶん感情移入はしづらい。必要ないのかも。戦のシーンは大量の忍者VS戦国武士なので、絵的にも新鮮。見た事ない図で少しコミカル。こういう人たちがたくさん出てくるので、弟を殺されて激おこな平兵衛(鈴木亮平)や信雄の父親との関係性とかが生きるんだと思いますけどね。
思い出しつつこのエントリを書いてるわけですが、あーもう一度見てもいいかなと思う内容でした。無門てクズっぽいけど本当は愛情深い人で、人でなしらしく何食わぬ顔で人殺しもするけど本当のところはちゃんと人間なのでいろんな表情が見れるんですよね。もう少し無門をちゃんと見たくなりました。
- 作者: 和田竜
- 出版社/メーカー: 新潮社
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