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暗渠の記憶

こんにちは。

金曜日はとりとめもないことを書く日。

以前私は要町に住んでました。初めての一人暮らし。古いマンションだったけど、初めての自分の城みたいで満足でした。ただ、20代後半特有のあのドロドロした気持ちが溢れて、辛い記憶もたくさんある。大抵はご飯を食べることで忘れてたけど、私なりにいっしょうけんめ生きてたんだと思います。

ひとつひとつの事象は忘れてしまったけど、そこでこんな思いをしたということは覚えています。記憶の暗渠化みたいなものでしょうか。

さて、要町近辺で有名な暗渠は谷端川で、ここは緑道になっていました。どうしてこんな道があるのか不思議だったけど、雰囲気は好きで散歩したり、キモノ着て撮影したりしましたね。

ぼかしご容赦。そしてこれ浴衣ですけど。

別の日に、この緑道をもっと歩いてみようと、暇だったんでしょうね、今で言えば暗渠あるきをしたのです。その時のことをたまに思い出します。

道はいつの間にか緑道ではなく、コンクリート蓋式の暗渠に変わって、住宅街の裏道を進んでいました。でもその時はどうしていきなりそんな道になるのか分からなかったし、どこまで続くかも知らないし、なんとなく青空が(春か初夏だったと思います)うさんくさい色に見えてきて、急に変な感覚になったのを覚えています。なんか、「違うところ」に行ってしまう感みたいなものにとらわれたんですね。このまま進むことを躊躇するような。昼間で明るいんだけど、誰にも会わなかったし、途端に孤独に感じてしまって、戻れなくなっちゃうような不安。

ばかみたいな話だけど今だって、到着地がわかるから道を歩けるのであって、ひとりで知らない道を行くのは不安でしょう。東京なのに誰にも会わないってこともめずらしかったし。ただ、いろんな記憶が混ざってるので谷端川かどうかも不確定なんだけど…

でも、そのせいか暗渠は私の中で異界みたいな扱いになってて、そこを歩くと、わー私今マージナルな感じ!とかテンションが上がるのだと思います。厨二くさいですが。そんなわけで、勝手に暗渠には妖怪がいるという設定にしてます。

たのしい。