ツーアウト満塁空振り三振

生活密着型ウェブダイアリ1.0

 早、長月


 夏キモノについては先週早々と片付けてしまったのだが、暦的にもキモノの夏が終わってしまった。今年は本当に浴衣を着なかったなあ!着たい着たいと思いつつ、「着たいという気持ち」の優先順位がキモノのほうにあったのでやむを得なかったもかもしれない。もしくは街中で、そこら辺にディスプレイされているカラフル浴衣に食傷気味だったということもあったかもしれない。我ながら面倒くせえなあと思うけれど、浴衣はクラシカルなもので、シンプルな着方が好きかも。カラフル浴衣をおしゃれとして着たいのなら、どうしてもみんな、もう少し頑張ってキモノを着ないのかなあ。キモノにしたほうが遊びにいく場所も、季節も、全てにおいて幅が出るのになあ。花火大会とお祭りだけのユニフォームじゃなくなるのになあ。妹が今年浴衣を買って、仕事で着ていたのだけど、洗濯をした実家の母が、その浴衣を純粋な木綿じゃなかったかもと言っていた。流行りものの大量生産の浴衣だったのかな。ちょっと寂しい。


 最新刊(でももう夏前のものだけど)「七緒」で、杉浦さやかさんが着てるあじさいの浴衣が好き。帯は淡い色の太い縞で、あじさいの淡い色との調和が素敵。ああいう着方が好きだなあ。雑誌が出たのは初夏だから、あじさいの浴衣がとてもいい。あじさいの季節が終わってしまっていたら、野暮になっちゃうけど…。


 最近の浴衣が好きじゃない理由のひとつに、桜とか、梅に鶯とか、そういう夏の花じゃないものが「和柄」というくくりで描かれていがち、ということもある。キモノに特に普段興味もない20〜30代に、「浴衣(キモノ)の柄に季節の花」というこだわりがあるか、といえば否だけど、面倒なことに私にはそのこだわりがあるから、そういう柄を見ると「野暮…」と思ってしまう。(ああ、嫌だな、下品だな…。)買う人よりも売る人、売る人よりも作る人の責任なんだろうか。伝統と現代の感覚の融合とかは大事だと思うし、実際にそういう感覚で私はキモノを着ているけれど、浴衣に関してはなぜかうるさい気持ちがある。あ、でもキモノでもあんまり具体的に花の描かれているものについては、季節を考えて着ているけれど。


 そんなわけで(どんなわけだ)来年は有松絞りか、竺仙の浴衣が欲しい。10年くらい先まで着れる物がいいな…。(と毎年思う。)