ツーアウト満塁空振り三振

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2000mと侮るなかれ!南部片富士・岩手山

こんにちは。

8月の初めに岩手山に登ってきた件の記録。本当はもう少し細かく書きたかったんだけど、忘れないようにざっと記録しておきます。後日、手入れするかも。

8月7日日曜日、晴天。6:00に馬返し登山口から登山開始。

山頂がはるかかなたすぎて少々不安。

最初は森の中を進みます。東北の短い盛夏の晴れ間で日差しが強いので、木陰を進めるのはありがたいが大変蒸し暑い。

岩手山は富士山のように「合目」があるので、目安にして進めるので便利です。しかし南部片富士とはよく言ったもので、とても富士山に似ています。足元は崩れやすい砂礫で、足を踏み込んでもずるずるっと下がってしまう。

森林限界を過ぎるとずっとこの砂礫に悩まされたので、3合目あたりまでは調子よく歩いてきた我々でしたが、5合目まで行くころにはへろっへろ。すでに予定のコースタイム(ずいぶん余裕を持ったのだけど…)からは遅れてしまっていました。11:30には山頂に着きたかったのだけど、すでにお昼。気持ち、少し焦りが出ていました。

時間を気にしつつ、そんなずるずるの道をひたすら登るのだけど、足場が悪く滑ったり落石させてしまったり、少しコースを外れてしまったりとなかなか前に進めないのがつらい…。

ただ、景色だけはとても良い!この稜線、かなりの急登だとお分かりいただけますでしょうか…。

7合目にようやく到着。ここまでくればあともう少し。ここから10分程度の8合目には避難小屋とトイレと水場があり、お昼を食べるなどの大休憩。

気持ちを新たに山頂へ。時間がないのでお鉢巡りはしません。山頂ヘは左右道が分かれているけれど最短距離をとって左側へ。しかしこの道が死ぬほとキツかったのです…。

豆粒くらいの溶岩の砂礫の坂道で、踏み固められたところがないので踏み込めばずるずるとずり落ちてしまうような坂道。足を横にしたり逆ハの字にしたりしながら這う這うの体で登る…。

でもご褒美も!

こんな砂礫だからこそみられた、コマクサちゃん。木曽駒では見られなかったのでテンション上がりました。それは後ろからくるカップルのお二人に「コマクサですよ!」とか非コミュの私が声をかけるほどでした。

ここまでなかなか厳しい山行なのですが、ところどころで高山植物がみられて、その都度励まされながら来たのでした。

名前がわからないけど薄紫が美しい。

これはヤマユリクルマユリ?とにかく山に咲くユリは美しくてテンションが上がります。

先のコマクサちゃんに出会えたので、つらい砂礫の道もなんとか登り切れました。登りきるとそこから見えるのは、かつての火口、お鉢。

どどーん、雄大。

今回の山行はもともとは盛岡出身の夫の企画でした。彼にとっては地元なので中学生・高校生の時とぜんぶで3回ほど登ったことがあり、このお鉢を私に見せたかったとのことでした。大変な思いをして登ってきたけれど、この景色を見たら疲れが吹っ飛ぶような気持ちでした。天気も良く、本当に気持ちの良い山頂でした。

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しかし山頂ですでに13:00を回っていました。少し休憩する程度にして、予定より30分遅れて下山開始。

登ってきたのとは違う焼走り登山口へと下ります。焼走りとは噴火したときの火砕流が流れ落ちたところで、ふもとの溶岩の散策路は歩いたことがありました。下りると近くに温泉もあることから焼走りに下りることに決めていました。(下りたところに義両親に迎えに来てもらってました。行くたび遊ばせてもらう嫁です…)

登り同様下りも急。滑り落ちるようにして進むことになります。1時間ほど滑り下りて避難小屋でいったん休憩。

あっというまに下ってしまうけど、あの山頂にいたなんて信じられなかった。とても雄大で、大きくて優しいけど、楽をさせてくれない厳しいお山。岩手の人たちに愛されているのも、よくわかります。姿も美しいけど、実際に登るとその魅力もさらによくわかります。

しかしここからもまだまだ続くのです…。樹林帯に入っても足元は砂礫で滑る、急なので気を遣う、風は通らず暑い、その暑さでバテているせいか頭も痛いと厳しい下山。だんだん無口になってしまう。

樹林帯をいったん過ぎて、上坊コースと焼走りコースの分岐があり、そこから展望はあるのだけど、相変わらず砂礫のまっすぐ下りる急坂が続きます。ズズーっと滑るように歩くけどなかなかハード。夫は少し怖かったようです。途中、シルバー世代の男性が「バテてしまった」と寝て休んでいたのだけど(声をかけたけど大丈夫とのことでした)まだあれから先は長かったので心配です。

山頂から2時間くらい下りてきてやっと最後のポイントあたりに着きます。樹林帯でさらに遅れたのだけど、ここでいったん30分ほど巻き戻して、おそらく下山できるのは17:00頃になると連絡を入れました。日が落ちるまでには下山したいので、ここまでもろくに休憩もいれておらず、かなりヘロヘロに…。しかし歩くしかないと言い聞かせながら進みます。

溶岩の固まった部分が展望台状になっており、おそらく下山路最後の展望。写真左側の黒くなっているところが焼走り。あのあたりに下山予定です。ここからさらに樹林帯を2時間ほど歩いて、なんとか17:00に到着することができました。下山口には義両親が待っていてくれて、そのまま温泉に連れて行ってくれました。ああ。ありがたい…。

こうして登り7時間、下り4時間(休憩含む)の長い長い登山を終えました…。とにかく最後の2時間がゴールが見えないので辛かった!駐車場が見えたときは心底ホッとしました。北アルプスの下山も長いけれど、ここまで足場がよくない下山が続いたのは初めてで、心身ともにダメージは大きかったです。4,5日筋肉痛に悩まされましたし。

じゃあ、もう山登りしないかというと…今こうして振り返ってみたりすると「今度はもう少し余裕をもって登れるかな?」とか考えちゃうのが山の怖いところです。