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新宿の歴史を知る その1 歴史博物館

こんにちは。

学生時代、地元の博物館の学芸員になりたかったくらいには、私は地域の歴史にとても興味がありました。特に今は暗渠に興味を持ってしまったので、その傾向が顕著です。

そんなわけで、新宿区の歴史博物館に見学に行ってきました。

都営新宿線の曙橋と、丸ノ内線四谷三丁目の間、津ノ守坂の中腹から少し入ったところにある新宿歴史博物館。

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すごく立派な建物で驚きました。スリバチのように低くなっている中庭には桜の木もあるみたい。

今でこそ人が多すぎて気分が悪くなる新宿ですが、縄文時代には今の落合あたりに住んでいただけのようです。落合は妙正寺川神田川の「落ち合う」場所なので落合と呼ばれたようなのですが、水が豊富で稲作に適した土地だったんでしょうね。わかるけど、なんか意外でした。

近世まであまり新宿についての記録はないようで、やはり内藤新宿についての展示が立派。とても手の込んだ模型があって面白いので眺めていると、ボランティアガイドの方(みたところ70歳くらいの男性)が声をかけてくださいました。学芸員になりたかったくせに昔はこういう説明が鬱陶しいと思っていたのだけど、最近はやっぱり聞くべしと思ってるので、チャンスと思い、説明を伺いながら見ていきます。

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画像:新宿歴史博物館

内藤新宿の成り立ち(宿場町にするために内藤家が奔走したとか)、内藤町の上町・仲町・下町が現在の新宿一丁目・二丁目・三丁目だということなど、模型で説明してもらいました。商家を再現した展示もあり(お菓子屋さんの設定)ここは撮影可でした。

特別展示は、近世の水道について。玉川上水から水を引くために使われた木樋が展示されていました。これは上水を各地区の井戸に運ぶための「水道」だと思うのです。南北線四ツ谷駅を建築する際に発掘されたものということでした。つい20年くらい前の話。こういう話があるから都市部の歴史はおもしろい。

近代に入ると多くの文豪が暮らしたということもあり、文学の中で表現された新宿についてのパネル展示があります。それから鉄道。市電の復元があり、市電の路線図が展示されているのだけどこれが見てるだけで楽しい。これを肴に飲める。市電はほとんど東京メトロになってるように思います。

http://www.regasu-shinjuku.or.jp/shinjuku-rekihaku/public_html/img/permanent/02_14.jpg

画像:新宿歴史博物館

それから繁華街としての新宿の移り変わり。お話を伺っていたガイドさんは、新宿伊勢丹に40年お勤めされていたとのことで、まさに新宿の歴史を見てきた方だったので私たちはラッキーだったのでは!

新宿に鉄道のターミナルができてから70年くらいの間で、今のように発展したのはここ20〜30年くらいの話。ものすごいスピードで発達してきたことが写真や地図から見て取れるのです。今の新宿がわかるから、かつてどうなっていたかに興味が持てるわけで。我々の世代は淀橋浄水場は話と写真でしか知らないので、このだだっぴろい浄水場がほんの数十年のうちに、今の新宿副都心に変わってきたということは当時を知る人たちからすればどのくらいおどろくことだっただろう。 昭和初期の新宿の地図があったのだけど、これもついつい隅々まで見てしまってなかなか先に進めない。これも酒の肴になるやつ。ショップで販売されてるので買ってくればよかったと少し後悔。

伊勢丹は、すでにあった「ほてい屋」の隣に出店し、そのうちほてい屋を吸収して、しかも隣にあった市電の操車場がなくなるとそこにも店を広げ、裏にあった娯楽施設も潰れると建て直してメンズ館にするなどで今の大きさになったとのこと。いやー伊勢丹すごい。くだんの地図には伊勢丹の隣に引き込み線路が見られました。

新宿大通商店街振興組合

結局最後までガイドしていただき、約2時間くらいかけてゆっくり見ました。いやー、想像以上に面白かった!しかも入館料300円。こんなお得で知的なエンタメがありましょうか!!

たまたま企画展のはざまで常設展示のみだったのですが、企画によってはまた来てみたいです。日曜なのに空いてるし、ゆっくり時間を使える、新宿では稀有なスポットです。

住宅地の歴史よりも私は都市と川の歴史に惹かれているようで、新宿はそのふたつの興味を満たすことができる区なのですね。駅前と歌舞伎町、ゴールデン街、それからオフィス街、そしてそれ以外…新宿区奥深い。

その後その足で、近くにある荒木町を散策するのですが、長くなったのでそれはまたのちほど。