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基礎知識はだいじ

こんにちは。

昨日、こちらを読了。

春の小川はなぜ消えたか 渋谷川にみる都市河川の歴史 (フィールド・スタディ文庫6)

春の小川はなぜ消えたか 渋谷川にみる都市河川の歴史 (フィールド・スタディ文庫6)

ちゃんとした学術書なのでさらっと読めるという感じではないのですが、興味深くてガンガン読み進めてしまいました。

暗渠に興味を持ってひと月ほど、歩く道々で「は!ここは暗渠なのでは!」みたいなことをやり続けていた私にスパーンとハリセン一発くらわせた本です。渋谷川の本流を中心に、どう変遷してきたかを辿っています。

1ヶ月間のインプットで、戦後宅地化によって水田に引かれていた水路が、排水路に変わり、ドブになって、オリンピックを契機に暗渠化され都市化された、みたいなざっくり知識をもっていたのですが、そうでもなかったようです。

下水道の整備は大正時代から計画があったこと、オリンピックの頃にぐっと進められはしたけれどそれはオリンピックきっかけだけではなかったこと、支流を含めた暗渠化がその計画によるものではなく、護岸の破損や宅地化による整備など個別の理由があるものも多かった、など。当たり前だけど、細かくみていくと様々な事象があちこちで起こっていたわけですね。渋谷川について、そういう都市河川の変遷事情などをきちんと説明してくれています。

本が出たのは2011年。どうも世の暗渠ブームは2010年前後からじわじわきていたようですね。ブラタモリのローカル放送開始もこの頃かな?東京の地形についての出版物がこのころのものが目立つ気がします。いくつか読みかじっているものもあり、どの本もワクワクさせてくれるのですけど、この本については私のようなニワカ暗渠ファンに、専門家(著者は渋谷区出身のキュレーター)からツッコミが入ったように見えてしまいました。昔の川っぽい道がすべて暗渠とは限らないのだぞ、きちんと歴史や変遷を見てから騒げ、と。

ネットに多く触れるようになってから、何かの記事をさらっと読んでわかったような気になっていることが多くなりました。私だけじゃないかもしれないけど。でもネットに無料で落ちている情報はなんらかの形でマネタイズされてるわけで、美味しい部分はネットにはないと思ってます。上っ面だけすくい取ってわかったふりをするのはやめよう…つくづく思いました。