ツーアウト満塁空振り三振

生活密着型ウェブダイアリ1.0

アマゾネス

めずらしく意識高い系のことを。

amazonにはしょっちゅうお世話になっているので大変ありがたいサービスだと思っているんだけど、このたびamazonさんが「amazon woman」なるサービスを開始したそうで。WBSとか業界紙でも取り上げられているくらいには話題のサービス。

いくつか女子のペルソナを設定して、そのペルソナに合わせた嗜好のカテゴリごとに商品提案をするというサービス。そのペルソナが、①ワーキングママ、②専業ママ、③恋・婚活ガール、④セレブ志向、⑤サブカル・文化系、⑥アウトドアという6つ。それぞれのページを見ると、そこに提案商品の一群が生成されているサービス。

しかしこれどうも流行らなそうなんだよなあ。

まず6つのペルソナだけど、これが大雑把だと思う。天下のamazonさんのことだから、ターゲット女性の購買履歴などから傾向を出してそれで設定していると思うんだけど(してなくて思いつきだったらやだな)、自分を当てはめようとしたらこれがどれにもしっくりこない。強いて言えば、というのはあるけど、サブカル・文化系のまとめっぷりもちょっとと思うし、恋・婚活ガールってペルソナに、誰が共感するんだろう…。女子はカテゴライズされがちだけど、それは一部そこに当てはまっている、と言う程度で実はものすごく細分化しなくちゃそれぞれに当てはまるものはないと思う。それはおそらく男性よりも生き方の選択肢が多いし、歴史的に女性の地位のほうが変動しているせいだとざっくり思うんだけど。だから「私は恋・婚活ガール!」って意気揚々とクリックできる人は少ないと思うんだな…。(あとママだけ2種類あったりして偏ってるし、なんか、全体的に、古い。ごめんなさい。でも今サブカル系って言わないよね?)

また、その下の階層に入っていくと、まああのamazonさんの画面なので、商品が整然と並んでいるんだけど、なんというか、ちょっとお粗末。いや、商品が悪いんじゃないですよ。カテゴライズした結果がこれですか?という商品群なのです。セレブ志向の最初に出てくる商品が電気脱毛器と竹酢液。いやセレブ志向ならエステ行くんじゃ…?それにサブカル女子だって竹酢液くらいつかうんじゃ…?もちろんamazonなので出るのですよおそらく。じゃあその分かりにくいカテゴライズって何?

やりたいことは分かるんですよ!すごくすごく!楽天ベルメゾンのようにたくさん特集を組んで、商品の使用シーンも合わせて提案してもっとたくさん買ってほしい、それはよく分かります。でも、amazonはそういう買い方をするところじゃないと思う。ピンポイントで商品名を検索するんじゃないだろうか。楽天のサーチワードも似てると思うけど、まだ特集からの誘導は効くように思う。でもこれはamazonには向いてないんじゃないだろうかと思ってしまう。今すでにレコメンド機能は活用させてもらってるし、それでいいんじゃないのだろうか。amazonなんだもの。

それに、楽天ベルメゾンのような特集系コンテンツが多いとTOPが雑然とする。amazonにはそれも似つかわしくないと思う。楽天などの下世話な感じ、所帯臭さはとても便利だけど、amazonを同じように使うかと言ったらそうじゃない。そして整然としていてほしいと、いちユーザーとしては思う。

セールスプロモーションの施策は、どうしても販売チャネルやインフラに左右されると思う。どんなにいい案だって仕組みが合わなければ残念な仕上がりになっちゃう。そこをわきまえるのも大事だと思う。おもしろいけど、うちには不向き、というような気持ち。もちろん凝り固まってはいけないけど。

上記のamazonサービスのペルソナが別表現だったらもっと受け入れられるかもしれない。「セレブ志向」じゃなくて「上質を求めるあなたに」とか、サブカル系なら「こだわりを大事にしたいあなたに」とか。UIもamazonのままではなくてWEBマガジン的な組み方をしたら見え方も違うのに。部署を超えて女子たちが選抜されてリリースしたというサービスなのだから、amazonの男性的な仕組みから少し離れて組んだらよかったのに…と思ってしまうけど、きっと社内的にいろいろあるのでしょうし、私もamazonは今後も使っていくので黙って見続けてみようと思う。このサービスは使わないと思うけど。