ツーアウト満塁空振り三振

生活密着型ウェブダイアリ1.0

好きなものに囲まれて暮らす

好きなものに囲まれて暮らすという言い方には二通りあると思っていて、囲まれている「好きなもの」が、「必要最低限の」好きなものか、「好きという気持ちに従順なままの」好きなものか。これは大きく違う。前者は字のごとく、極限まで「好き」を突き詰めていて、とてもシンプルに暮らしている。後者は「好き」だから手元におきたいという欲望の赴くまま、好きを集めて暮らしている。私は前者でありたい後者だ。

今は、家賃も物価も安い下町の片隅で、比較的広い間取りの部屋に住んでいる。ひとり暮らしには充分に広い。しかし、広すぎるような気もしている。広い部屋に甘えて、物を集めすぎているように思う。

中には「好き」だけじゃないものもある。便利だから。仕事で必要だから。なんとなく捨てられないから。持っていたほうがいいから。などなど、明確な理由があるものから、曖昧なものまで。そこで断捨離というのが流行るんだろうけど、捨て方は分かっている。捨てるまでの方法を誰か教えて欲しい。ときめく、とかじゃなくて、私に合ったサイズにするために。

趣味は、区切りが判別できない。これは捨てるまでに別の努力が必要だ。洋服や靴は、勤め人だしTPOもあるからいろいろと要る。本やCDの類は(私にしては優秀なのだが)たまにまとめて処分している。そんなわけで比較的手がつけやすいのはキッチンだと思う。

料理は好きだ。比較的ちゃんとやるほうである。道具にはこだわりたいと思いつつ、「家庭を持ったらそろえよう」「終の棲家に済むようになったら変えよう」などと考えてついイージーな選択をしている。家庭を持つのも、終の棲家に住むのも、まったく予定が立たないまま何年経ってる?それでも毎日は続いてく。ご飯を作って食べてゆかねばならない。だったらいつ揃えてもおかしくない。ようやくそういう考えになって、少しずつ、便利なだけで好きじゃないものは処分していって、代わりに便利で好きなもの、もしくは便利じゃないけど好きなものを揃えていこうと思っている。

キッカケは、頂き物でヘンケルスの包丁セットをもらったときだ。それまでの包丁はホームセンターで適当に買ったものを使っていたのだけど、調理する回数は限られていて、カウントダウンされているのだし、自分が持ってみたい、使ってみたいものを使っていかないとすぐに人生が終わってしまうんじゃないか…と妙な不安に取り付かれた。(贈り主はそこまで考えてないと思うけど。)コレを契機に使い古した調理器具を処分して、必要で、かつこれはと思うものに変えた。それは何も名前のあるメーカーのものだというわけではない。衝動ではなくベストな選択をすることが大事。

一番気になっているのは、食材や調理したものをストックすることが多いので、樹脂製の容器をたくさん持っているのだけど、これがとても好きじゃないということ。冷凍できたりお弁当には便利だったりするのですぐにはなくせないけれど、それも少しずつ、ガラス製の容器に変えていきたい。それも、WECKの容器や、オールドパイレックスや、せめてイワキのガラス容器にしたい。多くの人が使っている実績があって安心だし、私も好きだからだ。持ってると愛しくなるモノたちだからだ。カトラリーもだ。口に当たったときに気持ちの良いものだけ使っていきたい。コンビニでもらう樹脂のスプーンを洗って使うのはやめていこう。どうせ洗って使っていくのであれば、自分の好きなタイプのスプーンを揃えればよい。

と、ようやく、そんな考えになった。いつか、ではなく、今からやっていきましょう、と。本当の意味で、好きなものに囲まれて暮らす、ということを、しっかりやっていきたいと思う。

…ヲタク趣味との両立が難しいところなんだけど、まずは、できるところからということで。