ツーアウト満塁空振り三振

※ 個人の感想です

 木曽駒ヶ岳(2)

木曽駒ケ岳(1)の続きです。

起床4:50。5時からの朝食はおにぎり2個とお味噌汁。ダッチオーブン料理を食べ過ぎておにぎり1個しか入らないので、もうひとつは行動食用にザックに入れる。私は今回ユースに連泊はしないので、登山にはザックにすべての荷物を入れていかねばならないのだけど、いったんユースに戻ってもらえるとのことで、必要のない荷物は置いていくことが出来た。これはありがたかった!

千畳敷へはしらび平という駅からロープウェイで行くのだが、そこまではバスターミナルから路線バスに乗るのが本来の行き方。ところが今回この路線バスが乗り合いの客を乗せる前にユースに寄ってくれて、ユース始発でいってくれたのだった。これも大いに助かった!ターミナルにはまだ朝6時だというのに長蛇の列。ユース企画ツアー、ありがたや…!!

30分ほどでしらび平駅に到着。ここから7分間ロープウェイの旅。



高所恐怖症の私は手すりにしがみつくようにして耐える。ふっと下界を見るともう雲海の下。行き先は天気がよさそうでちらちらと見えるそれらしい風景にテンションもあがっていく。

そして千畳敷駅に到着。この駅は日本で一番標高の高い駅なのだそうだ。

そして駅を出ると、あこがれたあの風景が!!

どーん!!

氷河が山肌を削って出来た地形をカールというのだそうだ。(カール・圏谷→Wiki)
千畳敷カールは畳を千枚敷いた広さがあるということで千畳敷というそう。山の名で言うと宝剣岳である。

しばし感動の写真撮影。めったに写真に写らない私が千畳敷カールという看板とともに記念撮影するなどテンションの高さ異常。それにしても空の色と稜線がこの世のものとは思えないほど美しい。なんだここ日本?まだまだ知らないことが多すぎる。



準備運動を済ませ、7時半から登山開始。カールの中央、岩の道(八丁坂)を登っていくのだがなかなか急なのぼり。稜線のところ(乗越浄土・のっこしじょうど)まで1時間で登っていく。ガイドさん案外早い。一生懸命ついていこうとがんばって登る。飴をなめたり会話が出来るくらいだけど。それでも途中の休憩がほっとする。



ようやく乗越浄土(約2,800m)。左手に宝剣山。(写真はおそらく宝剣山。まだ山の見分けがつかない)


振り返れば雲海。


右下の赤い屋根が千畳敷駅だから結構登ってきたことになる。しかしここが頂上ではなく、これから目の前に見える中岳(2,925m)を登り、ようやく目的地の駒ケ岳が見える。なのでまだここではゴールは見えず、目の前の山を登る…。

中岳の手前の宝剣山荘でトイレを拝借。有料のバイオトイレ…というと聞こえはいいけどいわゆるぼっとん便所。でも山小屋の人が丁寧に掃除をしていたのでそんなにいやな感じではなかった。この山荘で売っている手ぬぐいがかわいいらしい。

さて中岳の登りはわりと大きな岩を這い上がるイメージ。そのときは結構きついなーと思いながら登っていたが、下りを経験すると記憶が上書きされてしまった。うん、結構きつかったよ。でもついていけないレベルでは全然ない。中岳も何とか登頂。頂上からは御嶽山(おんたけさん)も見える。



見てこの空の色!果てしなく深いブルー!

中岳を踏んだ我々はようやくゴールを眼にすることが出来る。


ハイ、木曽駒どーん!!

手前の青い小屋は頂上山荘。「頂上じゃないのに頂上山荘って言うんですね」とガイドさんに言ったら「ハァ…」と微妙な返事をされた。おじさんごめん、非難してるわけじゃない。

この登りも急。中岳以上の岩の階段をぐいぐいと進む。でも頂上に向かっているので気持ちは前向き。足は結構疲れてきているけど、まだぜんぜんやる気だった。時間は9時ごろ。午前9時街が動くふたり乗せて!(山だけど。)

さて、10時ごろ、木曽駒ケ岳(2,956m)登頂!おめでとう私!

(BGM:果てない空)


同行のパンダくん(のちにカールくんと命名)も三角点?の上で登頂記念撮影。

雲海を見下ろしながらしばしの休憩。


空も雲海もどこまでも続く。写真は頂上神社。この隣に売店がありサチヨちゃんと記念にピンバッジを買った。が、帰りのバスで「あれ、あの場所だから買っちゃったけど高かったよね」などと話す30代のリアル。

短い昼食(といってもまだ午前中だけど)休憩のあと、駒ケ岳を下り(岩を下るので結構怖い)馬の背という尾根伝いを歩く。尾根伝いテンションあがる。岩やハイマツのなかをぐいぐいと進む。


濃ヶ池の見える、見晴らしのいいところで折り返し。これからまた駒ケ岳を抜けて、中岳の巻き道で帰りますよ〜。

ところがこの中岳の巻き道というのがかなりの難所。数十メートルではあるが岩場のトラバースがあり、私からすれば岩壁のような、足場がせいぜい数十センチしかないところを進まねばならない。看板にも「中岳巻き道 難所」と書かれていたよ。右手の下はガスに埋もれて下まで見えないけれどズサーッ!となりそうな崖。左手で岩壁のでこぼこを必死でつかみながら三点支持でゆっくり進む。「うへえ」と「こええ」を繰り返し発しながら、何でこんなとこ初心者に行かせるんだよガイド!!!と心の中でうらみながら、死にたくないので必死に進む。まぁ、なんとか崖の見えないところまで出れた。運動してるからというより恐怖で心拍数が上がる。ぜえぜえ。

駒ケ岳を下り始めるころから風がとても冷たく、山用のロンTの上に普段着のシャツという姿では寒くなってきたのでレインジャケットを上から着た。いったん暑くなって脱いだけど、トラバース前にまた着てそのまま下山。太陽が出ると暑いけど、風が寒いので着ていて正解。再び八丁坂を下るときにはガスで周囲が白くなっていて明らかにさっきより寒い。東京はまだ残暑が厳しいのに山の天気の変わりやすさ、そして軽装の怖さもちょっと知った。

乗越浄土を再び過ぎ、八丁坂を下る。足がもうヘロヘロ。しかし下りなので踏ん張りながらひざに負担をかけないように気をつけつつ降りる。なかなか体力が要る。この時間になると人も増えてくるのでのぼりの人たちとのすれ違いのときに小休止をとりながらゆっくり降りる。「こんにちは!」と声を掛け合うことでテンションをあげて、歩いていける気がした。こんなに人見知りなのに山って不思議。すれ違う中高年の団体のかたがたに「あら、山ガールかっこいい!」ひゅーひゅー!って感じで冷やかされるのを、サチヨちゃんとともに「いや、そんな、ガールとかじゃないんで!」とかたくなに否定しながらすれ違う。山ガールはほらもっと若くてかわいくてピンクとパープル着ていてブランドはマムートだよ!MUJIの撥水パンツで登山してないよ!

再び千畳敷カールについたときには上方は真っ白。先ほど見えた稜線がまったく見えず。数時間の違いであの感動する景色が見られないなんて、なんて貴重な経験だったんだろう!7時半のあのときに、スカッと快晴でいてくれて、山、ありがとうございます!

名残惜しみながら下山。13時くらい。ロープウェイを降りたら貸し切りバスが来ていてそのままユースまで。ああ、どこまで贅沢。ユース泊まってよかった…!

荷物をまとめてユースを出、サチヨちゃんが車を出してくれて一緒に温泉へ。

こまくさの湯

登山で汗もかいたけど、山の空気のおかげでなんとなくさらっと乾いており、前日のドロドロさはなかったので、まずはお腹を満たそうとご飯。


駒ヶ根名物ソースカツ丼。ご飯の上にキャベツとソースかつが乗っている。想像通りの味。でもその土地の名物は食べなくちゃ。その後ゆっくりと温泉へ。

高速バスまでの時間がかなりあったのだけど、サチヨちゃんと、一緒に温泉に行った班長(登山のときグループ分けして我々のグループの班長さんだった、明石の山男さん)が時間ぎりぎりまで買い物したりお茶したりと付き合ってくれて本当に感謝。知り合ったばかりなのにこんなに良くしてくれて…。「ユースってこんな感じでしょ。どうせなら楽しいほうがいいよ」と言ってくれて…。ああ、山っていいな、旅っていいなと思ってしまう。

東京にいる私はあれしなきゃこれしなきゃってせわしないし、たまに気持ちまでそれに持っていかれてしまうし、思い通りに行かない人には当たってしまう。そういうとげとげの心を、なんとなくほぐされたような気持ちでいられた。

山好きな人はみな口をそろえて「山っていいよ」と言う。ロープウェイのしらび平駅からユースへ戻るバスの中で漠然とした「山っていいな」という気持ちが生まれた。離れてゆく山を見ながら、少し涙が出た。(BGM:果てない空 ♪泥まみれの〜毎日だけど〜いまさら悩んだりは〜しない〜)ああ、こういうことなのかな、とちょっとだけ分かった気がした。

さて自分へのお土産をもうひとつ。南信州の地ビール。本当はバスの中で飲もうとしていて、班長に栓抜きのプレゼントももらったのだけど(班長本当にありがとうございました!)なんだかそこで飲む気が起こらず、帰宅してから登頂の祝杯をこの子と上げました。


カールくんからお酌♪

千畳敷カールでザックから落として、ツアーの同行の方に拾っていただいて事なきを得たのだけど、そんなに千畳敷カールに居たかったか!と思いそこからカールくんと命名。かってに三角点の好きなパンダと設定したので、次の山にも連れて行きたいと思う。

反省・雑感・備忘録は改めて後日。