ツーアウト満塁空振り三振

生活密着型ウェブダイアリ1.0

 さよならジョイシネマ

 新宿ジョイシネマが閉館するようで、過去の作品を上映しており「硫黄島からの手紙」を見てきました。DVDも持ってるし、数回見てるのでストーリーは良く知っているのですが、やはりスクリーンで見たかったのですな。迫力が違います。しかし問題点としては、準主役のひとが撮影時の裏話的なことを話すのを聞いたりしているのでつい集中力が横道にそれてしまったこと。洞窟での自害シーンはCGだったので、撮影時は何も起らないのに「うわぁ!」とか演技しなくちゃいけないので面白くて下向いて笑ってたとか言いやがって。また、伊藤(獅堂)が西郷(二宮)に日本刀を突きつける緊迫したシーンなのに、獅堂が「にのみやくんが遊びに来たとき、がんばって手料理を振舞ったのに食べてくれなかった」とかデレたのを思い出して、ちっとも緊迫しないとか。まぁ自業自得です。それでもやはりいい映画には心に残るシーンがたくさんあって見入ってしまいました。以下、映画の感想を離れてモヤモヤ語りになるので閉じます。そのまえに、映画見てつくづく。にーの、ちんまいw子持ちの30男にやっぱり見えないwあ、そうだ、特筆すべき新しい発見としてはクレジットにSpecial Thanks to JOHNNEY'S Jr. KIDSとあったこと。誰?誰が出てたの? どこに?

 西郷は現代の私が見ても普通の人だと思うんだけど、当時こういう人が本当に居たのかどうかが分からないところ。彼は戦場で愚痴るしぼやくし、生きて帰ることに執着する。また「ここで死ぬのと、生き延びて戦うのとどちらが陛下の御為になる? 」という合理的な問いかけをしたりする。お国のために死ぬことが美徳された時代で、こういう人がどれだけ居たのだろうかと不思議。数年前にこういった「生きる」という信念を持つ登場人物が出てくる戦争もののドラマなどを立て続けに見た記憶があり、そのころの戦争についての流行の描き方なのかなあと思ったが、忘れてた、これハリウッドだった。この時代についての印象は国民みんな洗脳されてるイメージがあるわけで、こういう現代と差異のない感覚の人間が居たというリアルなエピソードを描いているのか、それともこのエピソード自体がフィクションというかファンタジーなのか。知らないので判断が付かない。
 時代としてはそんなに遠い話じゃないのに。我々の祖父母の世代の話なのに、やっぱり私にとって戦争は歴史上の話でしかない。でも、リアルな話を聞けたはずの最後の世代なのだと思う。それでも私は祖父母から語られたことはないし、私だって積極的になれない部分ではある。この映画だって、自分の好きな俳優が出てなければ見なかったと思うし。暗くてイヤだと思って避けていると、きっとなにか正しくない形でしか伝播・継承されないような気がするんだけど、それならまずは知ろうと動き出せないのが私のダメなところだ。私一人が知らなくても世の中はそんなに変わりはしないからだ。それならアイドル愛でてるほうがよほど実用的・効果的だと思う。(経済社会の一歯車として)しかし、社会文化論をだいぶ長く学んだ人間がこれでいいのか、と自分勝手な考えを恥ずかしいと思わないでもない。