ツーアウト満塁空振り三振

生活密着型ウェブダイアリ1.0

 犬神家の一族


 畳みます。

 かつての市川崑監督「犬神家の一族」をみないで今回初めて犬神体験。やはり今撮るのなら、金田一耕助に石坂浩二はないんじゃないか…というのが印象。映画の前に、本来の金田一の年齢設定でキャスティングを考えるとすると誰か、なんて話をしており、そこで名前が出てきたのがオダギリジョーだった。それを踏まえて石坂金田一をみていたら「ふ、太ってる…」。若い頃はかっこよかったんだろうなあと思うのだけど。こだわりなのだとは思うけど、ちょっとなあという感じ。また絶世の美女・珠世さんも私のイメージとは違ってしまった。まず、背が高すぎる。戦前の美女は背は高くないと思う。小夜子さんであるところのおきなさんと並んだときの背の違いったら!しかもスケキヨ/静馬も背があまり高くないらしく(目元は美しかったけど)、珠世さんとスケキヨさんの再会シーンはうがった見方をしてしまった。「背が高いからひざまづいて抱きつくんだな…」とか。ななこさんは嫌いじゃないんだけど、すんごく美しいってわけでもないからなあ…。珠世さんは小作りで冷たく美しい人がいいなあ。それこそおきなさんは小夜子ではなくて珠世でもよかったんじゃないかしら。他にもいろいろあるけれど、この中心人物二人が私の脳内イメージと合わなかったせいで違った意味での面白さを見ていくしかなくなってしまったのが残念。まぁ私の本当に個人的な印象。


 ストーリーは原作のちょっと、ここもっと作りこんで欲しいのに、ってところを映画なりにカバーしていて面白かった。(過去の映画とは、まったく同じストーリーなのかな?)逆に「えっそこ変わっちゃってるの」ってところもあったけど。小夜子の壊れ具合とか、水中に逆さになった死体を引き揚げるシーンとかは笑うしかなかったんだけど、笑ってよかったんだよね?あれが真面目だったらどうしよう。ところで、橘署長が「人間には2種類しかいないの、良い人と悪い人!」という台詞が合ったけれど、それって原作で言うと違うんじゃないかと思ったのだがどうだろう。映画はそういう考えで作られているってことか。今回の犯人は本当に悪い人なのだろうか。良い人は本当に良いだけの人なんだろうか、って思うけど。これだけじゃないけれど、疑問点が少なからずあった。前の作品を見て、映画の「犬神家の一族」を自分なりに納得したいと思ったけれど、今回の作品をみせることによって、前作をもう一度見せようって狙いがあるのならすごすぎる。